盆栽が今、世界中で人気なのは一般的にも知られてきましたね。
テレビの報道や、雑誌、新聞記事でもたびたび「Bonsai」を特集します。
ここではそんな「Bonsai」ブームについてまとめてみました。
いかにも日本人らしい趣味「盆栽」が、どうして海外で人気になったのでしょう?
海外に盆栽が知られたのは映画「ベストキッド」から
盆栽は元々、平安時代に中国(唐)から伝わった文化ですが、今や日本の伝統文化として認知されています。
細かな剪定の作業や、観察、育成など、日本人の手先の器用さや粛々とした人間性に合ったのでしょう。
明治時代以降から、万国博覧会(万博)においてたびたび披露され、世界に認知され始めました。
転機となったのは1984年(昭和五十九年)、世界中でヒットしたアメリカ映画「ベストキッド」(原題:The Moment of Truth / The Karate Kid)にて、盆栽の育成が修行の一項目として取り上げられたことです。
この頃から日本の「Bonsai」が、固い文化ではなくポップなカルチャーとして海外に知られるようになったのです。
「世界盆栽大会」を海外で大々的に開催!
ベストキッドの影響で盆栽が広く知られた後、1989年(平成元年)に「世界盆栽大会」が始まりました。
第一回は日本の「大宮盆栽村」で知られる大宮開催です。
二回以降はアメリカ・韓国・ドイツなどで開催され、世界中の有識者が自慢の盆栽を披露し合いました。
映画はあくまでもきっかけとして、今日までの一大ブームは「世界盆栽大会」による影響が大きいでしょうね。
「Bonsai」輸出額の推移と、ブームの盛大化
盆栽が広く知られるとともに、経済状況も大きく変化しています。
日本貿易振興機構の発表によると「日本→海外への盆栽と園芸関連の輸出額」は以下のように上がっています。
2001年:6億4000万円
2011年:67億円(過去最高額)
2012年:81億円(最高額更新)
世界盆栽大会が回数を重ねる度に、世界各国では盆栽の取引が広く行われていったことがお分かりいただけるでしょう。
ちなみに2016年には80億円の記録なので、軒並みこれくらいという規模には落ち着いたと思います。
上記の数字は園芸関連も含まれるので正確ではありませんが、内訳には「高価な盆栽」の取引も影響するといわれます。
世界盆栽大会が開かれると、数万円から数十万、中には一億円もの価値が付く盆栽まで登場することも。
それらが海外の業者や資産家に売れたら、盆栽が大きな商品として扱われるようになりますね。
もちろん家庭での小規模な趣味の盆栽を始め、Bonsaiカルチャーも影響し、今日までの世界的ブームにつながっているのです。
まとめ「盆栽は今や世界の一大文化になっている」
ここでは世界におけるBonsaiブームについて検証しました。
元々は中国文化だった盆栽が、日本の伝統文化として世界に羽ばたいているのは不思議な縁ですね。
今では百億円規模の輸出事業に拡大し、盆栽を一つの財テクとして扱う方も多いようです。
もちろん盆栽の持つ魅力は、海外の人にも確かに伝わっていることでしょう。
日本の盆栽も「ミニ盆栽」「ドライ盆栽」など、時代に合わせて進化し続けています。
今後、盆栽を通じてどのような話題が広がるのか、楽しみですね。