盆栽の太い幹作りの方法

盆栽を長く育てていても、イマイチ思った形にならないことは多いことと思います。
盆栽展で見るような雄大な幹に育ててみたいと憧れを抱く方は多いでしょう。
果たして幹を太くし理想的な樹形にするにはどうしてゆけばよいのでしょうか。

盆栽の幹を太くするには?

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盆栽の幹をどっしりと太く育てるには、いくつかの方法があります。
代表的な方法を以下にまとめました。

大きな鉢に植え替える

盆栽は、そもそも自然の中で自生する樹木たちです。
自然の中ならたっぷりの土と養分によって育ちますが、植木鉢では限られた土の中で頑張らなくてはならず、自生樹木よりも盆栽の方がか細くなりやすいのです。
ですから、できれば大きめの植木鉢に植え替え、養分そのものを増やしてやると効果的といわれます。
あまり大きな盆栽鉢にちょこんと植えてあるとどこか間抜けにも見えますが、水石やオブジェなどを合わせて大きな作品としてしまえば、意外と様になりますよ。

畑に植え替える

大きな鉢に植え替えるのも良いですが、いっそのこと一時的に外へ植え替えるのも手です。
できれば栄養のある健康的な土の場所、畑などが良いでしょう(見極めるポイントは、他に雑草や樹木が大きく育っているか)。
目安として、植木鉢の倍以上の早さで育つともいわれます。
ただ自由過ぎるあまり、根張りも偏り、荒々しい枝の付き方をすることもあるので注意は必要です。

ザルに植え替える

意外とポピュラーなのが、ザルに植え替える方法ですね。
どんな材質でも大体は大丈夫ですが、土がこぼれない程度の目の細かさは必要です。

ザルに植えることで、まず根張りが丸く細かく、理想的な形になります。
ポイントは、土も良いものを使い、肥料もよくあたえることです。
一方で水が乾きやすいので、こまめに管理しましょう。

幹を部分的に太くする方法

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上記の方法だと、幹全体がずっしりと太くなりますが、一般的に美しい盆栽は「太い根元から先端にかけ、幹が徐々に細くなった形」を指します。
有名な松の盆栽などを見ると、どれも幹は根元から太くできているとわかります。

なので、できれば根元部分だけを太くしたいもの。
幹はそもそも、枝先まで栄養を届けさせるために成長するので、

・太くならなくて良い上部の枝を思い切って剪定してしまう。
・太くしたい根元に近い枝を伸ばしっぱなしにしておく。

この二点が基本です。

幹そのものを太くたくましくするには、前述した「大きめの鉢」「畑」「ザル」三つの方法に加え、剪定の仕方も重要なのです。
またどんな方法を用いても、一年から数年はかかることを覚えておきましょう。
太く雄大な幹を持つ盆栽は、長い年月と手間隙をかけた先に手に入るのです。

ヤマグチ

ライター / 作家名「山口歌糸」/ オフィスウタイト代表 / 竹取物語に関する評論文で「市民文芸ふじのみや第46号 随筆の部」優秀賞。「盆栽なび」では初心者向け情報やコラムを担当。一緒に学びましょう!

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