中国の盆栽事情

盆栽と聞くと日本特有の文化だと思っている人はたくさんいます。
確かに、現在は盆栽の良さを1番理解しているのは日本かもしれません。
実は、中国も盆栽にとてもゆかりのある国として知られているのです。
中国の盆栽事情の今をご紹介していきます。

中国盆栽

 

もともと盆栽の起源は中国

盆栽の文化、というのは中国が日本に持ち込み、広まるようになりました。
2,000年以上の歴史があり、盆栽に親しんできた中国ですが、日本でも広く盆栽が愛されるようになるのと比例するように中国での盆栽文化は下火になっていったのです。
なぜか?といえば、徐々に中国の暮らしが豊かになるにつれて、若者たちが植物への興味を失っていったことが要因になります。
逆に日本では、1つの芸術作品として非常に繊細な盆栽を作り上げるようになり、いつの間にか日本の文化として盆栽は変化したのでしょう。

 

中国は盆景が基本

中国盆景

日本に盆栽の素晴らしさを教えてくれたのは中国ですが、作り上げる盆栽には違いがありました。
中国では盆栽とは呼ばずに盆景と呼び、日本でよく作られているようなこじんまりとした盆栽ではなくて、もっとダイナミックで迫力のある盆景を作っていたのです。
高さも横幅もある大きな盆景が中国の基本だったので、現在の日本の盆栽を見ているといかに日本が独自に盆栽を進化させていったのかがわかります。
中国の盆景はまるで自然の中にいるかのような雰囲気があり、昔でいえば富裕層の趣味でしたが年代が代わるごとに庶民の趣味となっていきました。

 

中国で日本の盆栽が大ブーム

現在は、中国で盆栽や盆景を作っている人は少なくなっていて、パソコンの近くにサボテンを置いている位という人が多いです。
一方で、多くの中国人が諸外国の人達と同様に日本の盆栽には興味を持っています。
日本で作られた盆栽を自宅に飾りたい!という中国人が増えているのが、特徴的です。
人気になったきっかけは、YouTubeなどを通して世界各国で「日本の盆栽は美しい」といった共通認識が生まれたからでしょう。
盆栽には決まったルールはなく、人それぞれの感性が強く出るものなので、個性を大事にする海外からとても注目を集めました。
今では植物への興味が薄くなっている中国でも、日本の盆栽の美しさに魅了される人が増えてきたのです。

 

日本の盆栽はアート的要素が強い

盆栽が日本で長く愛されているのは、静かな美しさというものが美徳とされている日本の感覚に合っているからだといえます。
最近では、SNS映えすることも盆栽が人気となっている秘密なのでは?と考えられていて、自分の趣味や美的感覚を主張するSNSでは盆栽がアートとして取り扱われていて、自分のセンスをアピールする人が多いです。
中国だけに限ったことではありませんが、SNSを利用した表現は世界中に広がっています。
盆栽は芸術作品として写真だけでも魅力的なため、人気があるのは必然的かもしれません。

 

中国では現在日本の盆栽を好む人が多い

少しずつ中国の盆栽文化は静かになってきましたが、日本の盆栽が世界に注目されていることをきっかけに、中国へも日本の盆栽輸出が増えてきているので、また盆栽に興味を持つ人が増えています。
元々は中国の文化ではありましたが、今では日本文化として多くの人が認めているため、中国でも日本の盆栽が欲しいと人気を得ているのです。

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