盆栽といえば、木の印象が強いですが、実は苔(コケ)も重要な存在です。
苔自体にクローズアップして、最近では苔だけを愛でて育てている人もたくさんいます。
”苔”と一言で言っても盆栽におすすめな苔は色々あるので、選ぶときの参考にしてください。
盆栽に苔を使用するメリット
盆栽の土を覆うようにして、苔は使用されます。
なぜ使われるのか?というと、もともとは保水効果が期待できるからです。
スポンジのような構造をしているため、保水はもとより吸水の効果も望めるので、苔自体に水分がよく保たれています。
盆栽の湿度を保つ効果も期待できますが、蒸れたり土の乾き具合がちょっとわからないという懸念もあるので世話する時には注意しましょう。
また、盆栽に苔があると自然の雰囲気を演出することができて、緑が美しい大地を表現することが可能です。
見た目の美しさは、盆栽をする上でとても重要なポイントで土が剥き出しよりもだいぶ鑑賞する際に魅力的に映えます。
盆栽に適しているおすすめの苔
苔は、意外に種類が豊富で盆栽に使用する苔は何がいいのか迷ってしまうかもしれません。
苔ならなんでもいいというわけでもないので、盆栽向けのおすすめな苔をご紹介していきます。
スナゴケ
ふんわりと土を覆うスナゴケは、非常に管理がしやすいので盆栽初心者でも扱いやすい苔です。
日照や乾燥に強く、和の雰囲気がとても出せるのでおすすめします。
土を覆う場合は、盆栽を置く場所に注意が必要で、あまりにも温度差の激しい場所においてしまうとダメになってしまうこともあるので、意識しておきましょう。
オキナゴケ
ふかふかした自然を彷彿とさせるオキナゴケは、苔盆栽でも使用されるほど人気の苔です。
背丈があまり高くならず、盆栽の邪魔をしないので魅力的な苔だといえます。
ただ、水分が多くなるとどうしても色味が悪くなってしまうので、適度な湿度を保ちつつ盆栽とともに育ててあげてください。
苔の中でも育てやすい種類なので、初心者でも安心です。
コツクシサワゴケ
コツクシサワゴケは小型直立性の苔で、ミニ盆栽に向いています。
胞子体が小さく付いているので、ふわふわの苔というよりも少しアーティスティックな苔だと言えるでしょう。
かわいい盆栽を作りたいという人におすすめです。
盆栽に向いていない苔
盆栽に向いていない苔も一定数存在しています。
例えば、ゼニゴケやツノゴケのように雑草のような見た目をしている苔は盆栽の印象を悪くしてしまうので向いていません。
苔の形上どうしても水はけも悪いので、盆栽の管理を難しくしてしまうので、避けるほうが無難です。
また、カマサワゴケのような直立性で盆栽に向いていそう、とイメージされる苔でも高さがありすぎたり、水を弾く性質の苔だと土に水を届けることができずに水切れの原因となります。
盆栽の管理が難しくなるような苔は、使ってみても見た目が悪くなり、盆栽をダメにする原因にもなるのでおすすめはできません。
パッと見では向いていそうと思っても、幹まで張り付いてしまうようなハネヒツジゴケも掃除をこまめにしなくてはならず、管理が大変なので向いていないです。
苔を有効に使って盆栽を美しく
盆栽に苔を使用すると、見た目の美しさもそうですが水分も保つことができるので、盆栽の管理が楽になります。
また苔は比較的に強いので、初心者でも扱いやすいです。
きちんと盆栽向きの苔を理解し、使用することによって見た目も良く水分管理のしやすい盆栽に仕上げることが可能なので、試してみてください。