盆栽を美しく飾る「席飾り」「水石」について

盆栽展に出掛けると、豪華に飾られた樹形の立派な盆栽を観賞できます。
自分で上手く育てた際にも、できれば豪華に飾って写真を撮ったり、床の間の飾りにしたいものです。

盆栽には「席飾り(せきかざり)」というものがあり、また席飾りには欠かせない「水石(すいせき)」というものもあります。
「席飾り」「水石」とはどんなものでしょうか。

 

「席飾り」は盆栽展や家庭で盆栽を美しくために飾ること

「席飾り(せきかざり)」とは、盆栽を美しく飾り付けることです。
席飾りは総称であって、様々な飾りの方法もあります。
以下を参照してください。

「床飾り(とこかざり)」

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床飾り(とこかざり)とは、掛け軸や置物、花などを用いて床の間を飾ることです。

床の間は、今でこそ和室にはほとんど見られますが、古くは権力や威厳の証でもあったので、飾り物と合わせて立派な樹形の盆栽が合うといわれます。
種類は松柏類が最適でしょう。

あえて花物の小さな盆栽を置き、女性らしい奥ゆかしさを演出する方法もありますが、印象は現代的になりますね。

「卓(しょく)」

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卓(しょく)とは、盆栽を飾る用の台のことです。
「卓台」や「飾り台」とも呼びます。
様々な材質の卓がありますが、木製が伝統的です。
樺(かば)、白樺(しらかば)、桐(きり)などを始め、使える木も様々あり、色味や木目の具合で決めます。

台の高さによって「平卓」「中卓」「高卓」と呼び分けます。
置く盆栽を決めるポイントは、卓の高さや厚みに対し、盆栽の樹形や印象が釣り合うことです。

例えば平卓に重厚な樹形の盆栽を飾ると、どこかずんぐりむっくりとして見えます。
高卓は高地や山を印象付けるので、懸崖(けんがい:鉢から横に伸びて垂れる樹形)などを置くと見栄えが素晴らしいです。

「棚飾り(たなかざり)」

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棚飾り(たなかざり)とは、箱型や丸型に作られた棚卓(箱卓・丸卓)を用いて飾ることです。
添景(てんけい)や添え草、小品盆栽はこの型で飾ることが多いです。

箱型と丸型に明確な違いや決まりはありませんが、棚の枚数や大きさに応じ、バランスを重要視します。
棚に対し、盆栽を含む置く物が大き過ぎず小さ過ぎず、が基本です。

「地板(じいた)」

地板(じいた)とは、様々な木材を利用した板に盆栽を置く飾り方。
重厚な印象を持つので、王道的な樹形の松柏類を始め、盆栽以外の飾り物の板として用いる場合もあります。

上記以外にも、例えば天井から吊るす、壁に掛けるなどの方法もありますが、観葉植物やフラワーアレンジメントなどで用いる近代的な発想に近いです。
種類も立派な松柏類よりは、豆盆栽や苔(コケ)類が似合う傾向にあります。

 

「水石」は席飾りにも欠かせない一種

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「水石(すいせき)」は元々、それ自体が盆栽と同様に飾る物として用いられます。
盆の上に砂や水を入れ、水石を置き、眺めて楽しむのです。

ですが盆栽の席飾りとも関わりが深く、盆栽と水石の組み合わせを一つの作品として展示する場合も多いです。
前述した「棚飾り」「床飾り」とは相性が良く、棚の一つに水石を置く、または床の間で左右に盆栽と水石を飾り、中央に掛け軸をつけるのは基本の飾り方です。

水石は形に応じて名前が付けられています。一般的な種類を以下にまとめました。

「遠山石」(とおやまいし)…緩やかな傾斜の山形をした石。水石の基本形であり、最上級。

「島形石・山形石・岩潟石」…遠山石と似た山の形状に、波の打ち寄せる島のような傾斜や凹凸がある。

「溜まり石」…中央が窪み、水の溜まる石。

「滝石」…石の表面に一条以上の滝が流れる形。

「土坡」(どは)…平坦な形に、一部だけ山の形。

「段石」…平坦な形に、一部だけ台地状の隆起。

「茅舎」(ぼうしゃ、くずや)…茅葺き屋根の形状。

「被り石・雨宿り」…上部がせり出し、屋根を形成。

「姿石」…人物や動物の形に見える石。

「紋様」(もんよう)…石の表面に絵柄の見える石。絵画石ともいう。

「抽象石」…形や色の変わった石全般。

盆栽の樹形にも石を活かした「石付き」などもあり、石と樹木、あるいは苔との組み合わせが、自然の美や雄大さを表現する作品として受け入れられるのです。

 

席飾りの基本とは

盆栽の「席飾り」と「水石」についてまとめました。
盆栽は育てる楽しみと同じくらい、飾る楽しみがあります。
席飾りにも様々な手法と飾り方があり、基本を押さえておくと育てる楽しみも増えるでしょう。

水石自体は、手入れなどの手間は多少ありますが育てる物ではないので、もう一つの趣味としてもおすすめです。
丹精込めた盆栽を、ぜひ雄大に美しく飾り付けてみてはいかがでしょうか。

ヤマグチ

ヤマグチ

ライター / 作家名「山口歌糸」/ オフィスウタイト代表 / 竹取物語に関する評論文で「市民文芸ふじのみや第46号 随筆の部」優秀賞。「盆栽なび」では初心者向け情報やコラムを担当。一緒に学びましょう!

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