盆栽には様々なやり甲斐や魅力がありますが、日本においては四季を楽しむことができます。
春夏秋冬それぞれに風景があり、風情があります。
ここでは、日本の四季における盆栽の姿や特徴などをまとめてみました。
盆栽には落葉樹と常緑樹がある
盆栽には様々な種類がありますが、初心者から上級者まで広くおすすめできるのが「松柏類」(しょうはくるい)です。
「松」「柏」(真柏、イブキ、ビャクシンなど)があります。葉も雄大に年中茂り、丈夫なので育てやすいですよ。#盆栽 #松栢類 #植物 #趣味 pic.twitter.com/Wd98R52lhP— 盆栽なび (@bonsainavi) February 9, 2020
春にはどんな木も草も葉を茂らせ、花を咲かせたり、実をつけたりしますね。
ですが冬の景観を思い出してみましょう。
全ての葉が落ちて枝だけになる樹木と、真冬の寒波の中でも葉を残す樹木がありますね。
これが盆栽においても同様で、松のように年中葉を落とさずに茂らせるのを「常緑樹」と呼び、対して四季によって姿を変える種類を「落葉樹」と呼びます。
盆栽において四季を楽しめるのが落葉樹の方です。
以下ではそれぞれの季節によって盆栽が見せる姿を紹介していきます。
春は花盛りの季節 / 生き物がみんな元気になるので注意
春は全ての生き物が元気に活動し始める季節です。
松柏類などの常緑樹と異なる、最も代表的で楽しい季節が春ですね。
盆栽も同じで、多くの落葉樹は葉をつけ、花を咲かせ始めます。
植物も気温が上がり始めるのを察知し、養分をより多く求め、大きく成長しようとします。
軒先で日中は日差しを当ててやり、水やりの量と回数も気持ち増やし、肥料などもやりましょう(品種による)。
しかし春には植物と同じように、害虫なども活発に動き始めます。
品種にもよりますが、アブラムシなどの害虫へしっかりと対応しましょう。
また例外ですが、鳥や猫なども活発に遊び始めるので、置く環境においてはこちらも要注意です。
夏は豊富なエネルギーの季節 / 炎天下と猛暑に注意
日本の夏は風情の代表ともいわれますが、実際はとても厳しい季節です。
盆栽の種類にもよりますが、夏に弱い植物はとても多く、日差しと水分管理には充分な対応が必要です。
炎天下の日にずっとさらすと葉焼けの原因になるので、市販の遮光シートを使うか、日陰へ置き場所を変えるなどしましょう(特に正午前後の強い日射には注意を)。
また意外にも多くの植物は夏にそれほど成長しません。
春に充分に伸び、夏の間は停滞するといわれるので、水やりの回数や量を増やすよりは、スプレーなどで水をかける(潅水)処置をこまめにやるのが重要です。
秋は実りの季節 / 植物とともに冬へ備えよう
日本の秋は世界的に見て美しい季節といわれます。
代表的なのが「紅葉」ですね。
盆栽もカエデなどの品種ならこの時期に葉を赤くし、美しく映えます。
ですが、植物にとって秋は冬への準備時期でもあります。
夏に比べて弱まる日差しは、しっかりと確保し、水やりも同時に増やす工夫が必要です。
肥料やりや、土の植え替えなどもこの時期に行う場合が多いですね。
冬は最も厳しい季節 / 寒害に気を付け、春を待つ
常緑樹は冬の間でもたくましく生き続けますが、四季を楽しめる落葉樹にとって最も厳しく大変な季節が冬です。
人の体感でも良いですが、窓を開けて寒いなと感じたら、盆栽を屋内へしまうタイミングです。
※加減がまた難しいのですが、盆栽も子供のように環境へ慣れようとする働きがあるので、あまり温かな室内でぬくぬくとさせると逆に弱くなって季節による気候の変化などに耐えられなくなります。
盆栽を健やかに育てる上で、冬の過保護も対策不足も問題になります。
夜間などはしまうのも良いですが、日の差す時間は外へ出すなど、程ほどに植物へ冬を感じさせてやりましょう。
冬が終われば、また春が来ます。
四季を巡る落葉樹の盆栽とともに、一年を感じてみてはいかがでしょうか。