盆栽として育てるときには気を付けるべき実は毒のある植物

盆栽がお年寄りの趣味というのは昨今では古い考え方ですが、手入れの知識などが必要であり、やはり大人の趣味と言えます。
中には小さなお子さんがいたり、ペットを飼いながら盆栽を楽しまれているかたもいらっしゃるでしょう。
盆栽として親しまれながら、実は人や猫などにとって有毒である植物があることをご存知ですか?

 

紫陽花(アジサイ)

これからの季節、特に風情のあるアジサイは盆栽としても人気があり、寒さ暑さに強く、日本中で育てる事ができます。
ですがアジサイには毒があります。
花にも葉にも茎にも根にも、つまりほとんど全ての部分に毒が存在するのです。
体内に入ると、シアン(青酸)化合物が生成されるという事や、症状としは
・めまい
・嘔吐
・痙攣
・昏睡
・呼吸麻痺
等々、食中毒に似た状態になる事以外、どんな毒なのか、まだはっきりと特定されておりません。
解明されていない事が多いので、人間も動物も絶対に食べないようにしましょう。

 

梅(ウメ)

盆栽初心者にもオススメと言われ、花つきがよく強健な樹種のウメ。
暑さ寒さにも強く、代表的な新春を祝う花物盆栽ですが、果実には毒があります。
ウメの種や果肉には、種を守るため『青酸配糖体』という、糖と青酸が結合した物質があり、青酸は、人間の体内に入ると呼吸困難や目まいなど深刻な影響を与えるのです。
特に幼い青梅には注意が必要です。
人間もですが犬や猫など生の梅は、かじらないように配慮しましょう。

 

定家葛(テイカカズラ)

光沢のある葉、そして自然味のある樹形が特徴のテイカカズラ。とても丈夫で育てやすい樹種です。
そして春、枝先に香り高い花を咲かせます。
花付き良く美しい花を咲かせることから、盆栽では花物として扱われます。

そんなテイカカズラにも毒性があります。
体内に入ると麻痺や嘔吐などの重篤な症状を引き起こす為、絶対に口に入れないように注意しましょう。

特にテイカカズラの花は、見た目や香りがお茶に使用される『ジャスミン』によく似ています。
間違えやすいので気をつけてくださいね。
直接食べなくても、剪定や植え替えなどのお手入れをする時に、手についた毒が口に入ってしまう事も考えられます。
テイカカズラに触る時は手袋を着用し、作業後は念入りに手を洗いましょう。

 

福寿草(フクジュソウ)


フクジュソウは北海道から九州の山林に自生していて、江戸時代から愛されてきた古典園芸植物の一つです。
春の訪れを告げる花として『元日草(がんじつそう)」や『朔日草(ついたちそう)』とも呼ばれています。
ですが、縁起の良いと言われる反面、毒があるという危険な面もあります。
フクジュソウを触っても害はでませんが、体内に入ると毒になります。
フクジュソウの毒は全草(茎・葉・花・根)にあり、特に根、茎に強い毒があるようですね。
アドニンという成分が関係していると言われています。
ですので、フクジュソウはどの部分も口にしてはいけません。
50kgの成人なら35mgで致死量に至ります。
摂取した場合、数時間以内に嘔吐や下痢、さらには呼吸困難や心臓麻痺などの症状が出て死に至る事もあり得ます。
フクジュソウを摂取してしまったら、軽症でも病院に行きましょう。

 
以上、一部ではございますが、盆栽として親しまれながらも毒性のある植物についてご紹介しました。
繰り返しになりますが、こういった品種には、ご自身はもちろん、ご家族やペットへの注意も忘れずにお取り扱いくださいませ。

盆栽なび編集部

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