世界一大きな盆栽と、世界一小さな盆栽

毎年のように世界中で盆栽(海外ではBonsai)の品評会が開催され、美しく高価な盆栽が称賛されます。
ですが盆栽にも当然、価値だけでなく色々な記録があります。
「世界一大きな盆栽」と「世界一小さな盆栽」とは果たしてどんなものでしょうか。

 

世界一大きな盆栽は静岡県熱海市にある「アカオハーブ&ローズガーデン」の「鳳凰の松」

こちらは2013年頃にはすでに認定されていた記録です。
世界で一番大きな盆栽は、静岡の熱海にある「アカオ(赤尾)ハーブ&ローズガーデン」が管理する「鳳凰(ほうおう)の松」です。
元々は曽我森林自然園として始まり、現在ではバラ・ハーブ園として人気を呼んでいます。

そんなアカオハーブ&ローズガーデンにある赤松(アカマツ、レッドパイン)の盆栽が、世界で一番大きいと認定され、ギネス公式記録にも載っています。

樹高は16フィート以上(1フィートは0.3048メートルなので、約4メートル87センチ)あり、幅が30フィート(約9メートル)ほど。
樹形は表現しがたいですが、空へまっすぐ伸びる幹もあり、片側に懸崖(鉢から飛び出して下へ垂れる形)もあり、多彩な印象を持ちます。
樹齢は600年ほどとのことです。

 

世界一小さな盆栽はマレーシアの「ウォータージャスミン」

盆栽の大きさは、
・大品盆栽(46cm~)
・中品盆栽(21~45cm)
・貴風盆栽(21~45cm)
・小品盆栽(~20cm)
・ミニ盆栽(10cm以下)
と分けられ、ミニよりもさらに小さな盆栽を「豆盆栽」と呼びます。

「豆盆栽」をいわゆる世界で一番小さい盆栽と呼びもしますが、その中でも特別小さいのが、Kuah Tee Teongさんが制作した「ウォータージャスミン」というマレーシア在来種の盆栽です。
大きさは、全長22mm。
指先でつまんで持つ程度の大きさしかありません。

Kuah Tee Teongさんは自身の庭園を持ち、動物の形(犬、アザラシ、タコ、トカゲなど)を模したミニチュアツリーを制作し続けています。
本人いわく「小さな盆栽を作るには忍耐力と充分な知識が必要」とのこと。
これほど小さくても枯れずに維持するには、土を始め、環境作りにも余念がないといいます。

https://www.thestar.com.my/news/community/2008/02/01/kuahs-potted-menagerie

特集された海外の記事を参照すると、小さな盆栽作りに彼は特別長い時間をかけるようです。
大きな盆栽の数百年という年月には及びませんが、大きさ以上に繊細な心と手間をかけて制作しているのですね。

 

盆栽の大きさ世界一・小ささ世界一

今回はちょっと変わり種として、世界一大きな盆栽と世界一小さな盆栽について特集しました。
世界一大きな盆栽は、熱海のアカオハーブ&ローズガーデンにある樹齢600年の赤松「鳳凰の松」です。
世界一位小さな盆栽は、意外にも海外で制作されたものでした。
盆栽の対照的な極地を知ると、どちらも充分な知識と手間で作られたのだとわかります。
古くから大きな盆栽は価値的とされますが、今では小さな盆栽の芸術性にも大きな評価がされているのですね。

ヤマグチ

ライター / 作家名「山口歌糸」/ オフィスウタイト代表 / 竹取物語に関する評論文で「市民文芸ふじのみや第46号 随筆の部」優秀賞。「盆栽なび」では初心者向け情報やコラムを担当。一緒に学びましょう!

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