「雨が降ったらどうしよう!」盆栽における雨季のお手入れと注意事項

日本には四季があり、盆栽を育てるには最適な国といわれています。
ですが、四つの季節に加え日本でいう雨季「梅雨」があります。
盆栽を始め、植物を育てるのに欠かせないのが「水」ですが、梅雨の時季はどのように管理したら良いのでしょうか?
素朴な疑問と解決方法を一挙にまとめました!

 

日本の雨季はいつ頃?月別の雨量をチェック!

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「梅雨」といわれて、ほとんどの方が六月をイメージしますね。
実際はどうなのか、気象庁のデータを確認します。

【2019年の月別合計降水量(mm・東京)】
1月:16.0
2月:42.0
3月:117.5
4月:90.5
5月:120.5
6月:225.5
7月:193.0
8月:110.0
9月:197.0
10月:529.5
11月:156.5
12月:76.5

2019年は10月頃に大型台風が来たので数値は跳ね上がりますが、例年は「六月前後を梅雨時期とし、秋頃まで実際は雨量が多め」です。
上の数字は東京なので、この平均値に対し「北海道は雨量が全体的に少ない(雪が多い)」「九州・沖縄は雨が多い」のが特徴です。
住んでいる地域と照らし合わせ、雨季の時期を理解しておきましょう。

 

雨が降った時のお手入れ方法

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日本の雨季が梅雨入りから秋頃までとわかったところで、盆栽のお手入れ方法を確認します。

雨って何だろう?と考えるまでもなく「水」ですね。
みなさんが盆栽に、じょうろで与える水と同じです。

理屈の上では「雨が降れば盆栽に水をやるのと同じ」になりますが、実は「雨が降っても水やりを抜いて良いとは限らない」というのはご存知でしょうか。
以下に詳しくまとめたので、参考にしてください。

 

「小雨」が降った時の注意

盆栽にとって水をやるべき部分は「根元にある地面」です。

実は、小雨や霧雨程度だと葉や枝に遮られて水やりの効果とならなかったりします。
但し、葉水(葉に水をかけて埃や汚れを落とす)くらいの効果はあるでしょう。

小雨に降られた時は、普段水やりをする時と同じくらい地面に水が行き渡ったか、確かめる必要があります。
もし、判断が難しいようであれば、雨が降った時点で屋根の下か屋内に入れてしまうのが良いでしょう。
どのみち降雨中は日光も遮られるので、盆栽にとっては特に支障はありませんね。

 

「豪雨」が降った時の注意

続いて、打ちつけるような「豪雨」が降った際の対処方法です。

「盆栽も自生する樹木なので、雷雨でも台風でもそのままで良い」とはいわれますが、厳密には「植木鉢に植えた盆栽」と「広大な地面に根を張る樹木」では、条件がだいぶ違うのですね。

ですから、豪雨の際は「水やりの手間が省けた」と思わず、避難させるのが無難。
ずぶ濡れになれば水やりは大丈夫になりますが、葉や枝が曲がったり折れたりするので、樹形を綺麗にしておきたいなら強い雨には注意したいものです。

 

まとめ「雨と水やりの違いに注意して、上手く育てよう」

ここでは、雨季における盆栽の管理方法などを紹介しました。
盆栽の水やりは重要な世話ですが、雨が降っても世話の代わりになるとは限りません。
特に小雨や豪雨の際、さらに雨の多いとされる初夏から初秋の時期は注意して、健康に育つように管理をしていきましょう。

ヤマグチ

ライター / 作家名「山口歌糸」/ オフィスウタイト代表 / 竹取物語に関する評論文で「市民文芸ふじのみや第46号 随筆の部」優秀賞。「盆栽なび」では初心者向け情報やコラムを担当。一緒に学びましょう!

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