松盆栽の種類と特徴

盆栽と言えば「松」をイメージする人も多く、有名な樹種です。
ただ、松と一言で言ってみてもいくつかの種類に分けられているので、それぞれの特徴を知っておくことで自分なりの盆栽を作り上げることができます。
盆栽においては人気のある松にはどんな種類があるのか紹介しますので、参考にしてみてください。

 

松の種類

松には5種類が存在していて、どれも盆栽に適していると考えられています。
同じ松でも、見た目や特徴が違うため、ぜひ自分好みの松を見つけてみましょう。

赤松

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まるで、線香花火のように赤い趣が樹にあることが特徴的な松です。
パッと見た感じでは、黒松に似ていますが葉が細くて柔らかいため、別名「女松(めまつ)」と呼ばれ、複数ある松の種類の中でも珍重されています。
しなやかな樹形に育つことが魅力的で、どのような環境にも馴染むので、比較的育てやすいです。
風通しの良い場所に置くだけで、スムーズに成長してくれます。
寒冷地でも育てることに適しており、乾燥にも強いため、盆栽を始めたばかりという方でも失敗せずに育てやすいといえるでしょう。

エゾ松

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その名の通り、北海道の湿地帯に多く自生している樹種です。
樹皮は黒褐色でうろこ状に割れ目が入っているため、見分けが付きやすいといえます。
こうした樹皮の特徴のおかげで、樹齢がまだ若くとも貫禄を感じられるので、盆栽に迫力をもたせてくれるでしょう。
葉の大きさが密生しているので、エゾ松自体は大きさがありませんが大樹の趣を感じられる松です。
基本的に乾燥と蒸れには弱いので、日よけと風通しの良さは育てる際には必須だと思ってください。
水やりもこまめさが重要になり、夏場は1日3回程度あげましょう。

カラ松

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葉も樹も細く、繊細な印象のある松です。
昔は高山地帯に自生していましたが、現在では全国で見ることができる一般的な松となっています。
四季それぞれで、葉の色合いが変化し、美しい緑や黄葉を確認することができるので、目で楽しめる盆栽として非常に人気があるのです。
高山地帯で育っていたので、できる限り高い場所に置きましょう。
乾燥に強く、水やりも表土が乾いてきたらたっぷり水を与えるくらいに考えていてください。
常に水やりをしていて、表土が濡れている状態は逆にカラ松を傷めてしまう可能性があすので、避けることがポイントです。

黒松

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幹肌がごつごつしていて、樹の勢いもあるのでかなり豪壮な姿の盆栽を作り上げることができます。
そのため、赤松は「女松」で黒松は「男松(おとこまつ)」と呼ばれているのです。
ダイナミックな盆栽を作りたい、躍動感や自然の豊かさを表現したい人に非常に人気があります。
かなり丈夫なので、どの地域でも盆栽として育てやすいことが特徴的です。
管理方法は赤松と同様ですが、室内向きではないため、室外管理をしてください。
乾燥に強いため、夏でも3日に2回くらいの水やりで十分に育ちます。

五葉松

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名前の通り、葉が5本ずつ1箇所から生えていることが特徴的な松です。
日本固有の植物なので、庭園などに使われることも多く、葉の色が美しいので盆栽としても魅力的だといえます。
成長が少し遅いので、盆栽の価値も高く、自身で育てる際も根気強く愛情をかけていく必要があるでしょう。
乾燥気味のほうが健康的に育つので、夏でも1日2回程度表土が乾いた時に水を与えてください。
害虫にも強いので、室内よりも室外で育てる方が適しています。

 

松の手入れについて

盆栽初心者の人が1番不安に感じるのは、手入れについてです。
せっかく盆栽を育て始めたのに、すぐにダメになってしまっては気持ちが落ち込んでしまいます。
盆栽の手入れは、ただ水を与えて終了というわけではないので、それぞれの時期に必要な施策をお伝えしていきます。

新春~初夏

春を迎えたころは、これから待つが育っていく時期となるわけなので、盆栽のバランス調整を行う必要があるので、覚えておきましょう。

  • 葉のバランスをとるための葉抜き
  • 枝のバランスをとるための剪定
  • 樹形の調整をするための針金かけ

このように盆栽をどんな風に育てたいかによって変化が必要な調整を成長期を迎える春に行うことによって、自由に盆栽を作り上げていくことが可能です。
もしも、盆栽を大きくしたい場合は、植え替えを行ってください。
夏になる頃には肥料を加えて栄養を盆栽に与えていきます。

秋、冬

秋は、翌年春の準備をするべく、不要な芽を摘み、古い葉を落としておきましょう。
冬は、剪定を再度行い冬囲いをして、春を待ちます。
こうしたちょっとした手間が盆栽の見映えを変えていくので、面倒に感じるかもしれませんがマメに注意を払ってください。
盆栽は、1つの芸術作品を作り上げていることと捉え、美を意識して対峙していきましょう。

 

松の魅力

松の魅力はさまざまありますが、まず言えることは「育てやすい」ということです。
松は柔軟性がありしなやかに育ってくれるので、幹や枝を自分のイメージした方向に曲げることができ、また乾燥に強く寒冷地にも適しているので地域も選ばず、盆栽初心者の人にとっては、扱いやすいことでしょう。
松は「盆栽の王様」と呼ばれているくらいに、そのフォルムには雄大な印象があり、美しさを感じられます。
そして、松特有の魅力といえば、立ち上がり(幹元から最初の枝までの部分)や根張り(土の表面に露出した根の部分)です。
立ち上がりにおいては、樹形全体の枝ぶりや幹元から枝までの流れに対して自然美を感じることができます。
また根張りは、しっかりとした根が盆栽鉢の中の表土上に確認できることで、まるで自然の大地に根をおろしていているかのような印象を受けることでしょう。
これらは、最初に盆栽苗を購入する際にチェックしておくと良いです。
松盆栽の魅力は他にもたくさんありますが、盆栽を始められた人には1度は触れてみてもらいたい樹種。
まだ育てたことがない方は是非チャレンジしてみて下さい。

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