ドライ盆栽を知っていますか?
近年は「プリザーブドフラワー」(Preserved flowers)の流行もあって、贈り物としてのいわゆる「造花」に注目が集まっています。
そんな中、盆栽の難しい手入れを省いて観賞できる「ドライ盆栽」が流行り始めているんです。
ここでは「ドライ盆栽」の概要、歴史、仕組みなどを学んでいきましょう。
ドライ盆栽と盆栽は何が違う?
ドライ盆栽は「枯れ盆栽」とも呼ばれる盆栽の一種です。
わかりやすくいうと「ドライフラワー」あるいは「プリザーブドフラワー」のようなものですね。
普通の盆栽:生きた植物を鉢植えで育て、剪定などで形を作り、季節の変化を楽しむもの。
ドライ盆栽:「枯れた枝」と「ドライあるいはプリザーブド加工した葉や花」で形成される観賞用の盆栽。価格は数千円~数十万円程度。
「盆栽」が観賞と同時に育成もこなすのに対し、「ドライ盆栽」は完全観賞用の盆栽になります。
以前から盆栽のようなドライフラワーもありましたが、ドライ盆栽の多くが本物の盆栽の枯れ枝や葉を用いるので、見た目には生きた盆栽と変わりません。
盆栽の育成は日々継続的な世話(水やり、土の入れ替え、日当たりと温度管理、害虫駆除など)が必要ですから、忙しい方や身体の不自由な方には大変だったりしますね。
ドライ盆栽は手間が全くかからない(埃を払うくらい)ので、より「観賞だけを楽しむ」のには適しているのです。
ドライ盆栽の歴史
ドライ盆栽の登場は2016年頃と、とても最近のことです。
盆栽業者・盆栽アーティストとして活動する藤田茂男さんと、株式会社キュレーションジャパン代表兼エグゼクティブ・キュレーターの西園寺薫さんによって共同開発されました。
売りは「枯れない」「手間がかからない」「自由な造形が可能」などです。
初披露は、2016年5月に開かれた「Art Fusion 2016 展」(ニューヨーク、ジャダイトギャラリー)にて。
国内では2016年8月、「NEW BONSAI ART展 -えっ!これが盆栽!?-」(池袋、WACCA IKEBUKURO)です。
その後も全国各地で展示と普及を続け、2018年にはDRY BONSAI®が商標登録。
2019年3月には株式会社ブライトリンク(代表:佐藤明香里)と、有限会社ボンサイアート(代表:藤田茂男)によって銀座に「Tokyo GINZA Salon」をオープンしました。
現在ではカプセルトイ(ガチャ)とドライ盆栽を組み合わせた「ガチャ盆」制作や、各種イベント、体験教室などを実施しています。
【まとめ】ドライ盆栽は忙しい方や、人へのプレゼントにもおすすめ
ドライ盆栽についておわかりいただけたでしょうか?
ドライ盆栽は、盆栽の枯れ枝にプリザーブド加工を施した葉や花を用いて造る新しい形の盆栽です。
手間は全くかからないので、忙しい方や定期的な世話が難しい方にはおすすめですね。
盆栽とは異なる楽しみ方があり、季節や環境に関係なく彩りを楽しめます。
今後も盆栽と一緒に普及が期待されています。
盆栽愛好家も初心者の方も、ドライ盆栽にぜひふれてみてはいかがでしょうか。