「盆栽用土」の種類・特徴など

盆栽を育てる上で、土の品質は重要です。
元は自然にあるものなので、その辺の土でも良いような気はしますが、害虫や農薬などの悪い成分が混ざっていないとも限りません。
ここでは基本的な盆栽用土の種類や特徴、おすすめの用土などの情報をまとめました。
ぜひお役立てください。

盆栽用土は市販がおすすめ

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盆栽用土の基本は「市販」です。
今ではネット上の販売サイトで色々な種類の盆栽用土を購入でき、ホームセンターなどでも幅広く使える用土はひと通り揃っています。

ある程度の知識が身につけば山林で腐葉土や肥料なども採集できますが、冒頭で書いたようなリスクもあるので、まずは市販がおススメ。
種類もサイズもひと通りあるので、お持ちの盆栽の鉢のサイズに合わせて選びましょう。

盆栽用土の基礎知識

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盆栽に用いる土は、基本的に複数種類を配合(ブレンド)しています。
基本となるのは「培養土」で、その他の「砂」「軽石」「溶岩石」「有機培養土」などを配合するのが一般的です。

「培養土」は軟質から硬質まであり、粒の大きさもふるいにかけるなどして整えられます。
「砂」や「石系」は、土のしっとりした質感に対し、粒の粗さを活かして全体的な吸水性と通気性を高めるのが目的です。
また「化粧砂」といって、見た目を飾るための砂もあります。

有機培養土は、肥料となる腐葉土(ふようど)とも間違われがちですが、魚のカスや牡蠣(カキ)の貝殻などを混ぜた培養土を指します。
よほどの悪条件や難しい植物を育てる場合でなければ、市販の土でも充分といえるでしょう。

盆栽用土の代表的な種類

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【赤玉土(あかだまつち)】
…ほとんどの品種に使える便利な土。一般的なものは「硬質赤玉土」で、吸水性も優れた上、粒の間に空気が通りやすいので酸欠防止にもなります。目安2年ほどで粒が潰れて機能が落ちるので、植え替えましょう。

【黒土(くろつち)】
…粒子の細かい土。吸水性と保水性に優れるので、軽めの盆栽(小品、豆など)に向いています。

【鹿沼土(かぬまつち)】
…栃木県の鹿沼市(鹿沼地方)で採取できる土。黄色系の色の軽石で、やや軟質なのが特徴です。

【桐生砂(きりゅうすな)】
…粒の固い、火山性の砂(土)。植物全般に好まれやすい弱酸性なので、赤玉土に配合して使うのが一般的です。

【軽石】
…日用品でよくある軽石の細かいものです。盆栽用土に混ぜ込むと保水性を大きく助けます。根を広げさせたい時にも便利。

【溶岩石】
…軽石と同様の効果がありますが、溶岩石の中には根が張らないので、根の向きや広げ方などを意図的に促す場合に使えます。上級者向けですね。

【富士砂】
…富士山周辺から取れる、代表的な化粧砂。上品な黒色が魅力。

他にも種類はありますが、市販の盆栽用土に用いられるのは上記の土になります。
大体は赤玉土のブレンドで普通に育てられると思います。
地方の気候も多少は影響するので、心配な方は販売店や盆栽を売っている店を直接訪ねるのも一つの手でしょう。

盆栽用土は市販で良質なものが多い

今回は、盆栽に用いる土「盆栽用土」についての情報をまとめました。
水やりの効果を大きく左右するものなので重要視はされますが、基本的には赤玉土と砂類の配合である程度は大丈夫といわれます。
松柏類や、街にも自生する木(桜、梅、楓など)の盆栽なら、大体は上手く育つでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。

ヤマグチ

ライター / 作家名「山口歌糸」/ オフィスウタイト代表 / 竹取物語に関する評論文で「市民文芸ふじのみや第46号 随筆の部」優秀賞。「盆栽なび」では初心者向け情報やコラムを担当。一緒に学びましょう!

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