盆栽用の土の作り方

盆栽に使う土には、大変多くの種類があります。

そもそも盆栽にとっての土とは、木を支える物であると同時に、根から水分や酸素を取り入れる非常に大事な物。
また、樹種に適した用土も考慮しなければなりませんので、多くの種類があるのです。
今回は代表的ないくつかの盆栽用土についてご紹介しましょう。

 

盆栽用土とは

盆栽用土の大事な条件は次の3つです。
・水分保持力がある事(根に十分な水分を与える為)
・排水性がよい事(余分な水分をため込んでしまうと根腐れを起こしてしまう為)
・通気性に富む事(土のすき間に新鮮な酸素を送りこむ為)

盆栽用土は、これら3つの条件に合うように何種類かの土や砂を混ぜ合わせ作ります。
先に申し上げますと、盆栽用土にはこれが正解という物はありません。
それは、盆栽家ごとに日当たりや風通しなど盆栽を育てる環境がそれぞれ異なるからです。
その為、用土の配合割合は盆栽家の数だけ存在するといっても過言ではありません。
中には自ら山に入って採集してくるという上級者も存在します。
しかしながら、近年では野山で土を採取するのは現実的に難しいです。その為、現在では盆栽に適した土や砂を購入し、独自でブレンドして使用するのが一般的です。

・赤玉土(弱酸性、適度な保水性、適度な排水性)

・鹿沼土(酸性度高め、適度な保水性、やや高い排水性)

・桐生砂(中性、保水性弱め、高い排水性)

・黒土(弱酸性、高い保水性、低い排水性)

・腐葉土(中性、高めの保水性、有機肥料とも捉えられる)

代表的な用土でも、これだけの種類に分けられます。
樹種によって、酸性土向きの物、水分を多く欲しがる物といった好みがあるので、そのような個性に合わせたり、湿潤が強い地域では通気性が高まる配合にしたりと、環境に合わせる必要があります。

盆栽用土の作り方

前述しました通り、樹種によって用土の作り方は異なるのですが。

広葉樹(葉物類)
松柏類
花物類
実物類

今回は上の4つの種類に適した用土の作り方をご紹介します。

広葉樹(葉物類)

ケヤキやカエデ、モミジなどの広葉樹(葉物類)は、どちらかというと保水性を重視します。
そのため、黒土を中心とした土の作り方をします。
ケヤキ/カエデ/モミジ=黒土4:赤玉土3:腐葉土2:桐生砂1

松柏類

マツなどの松柏類は、水はけのよい用土を好みます。
水はけ重視のため、赤玉土や桐生砂を中心とした土の作り方をします。
クロマツ=赤玉土6:桐生砂4

花物類

花を楽しむ樹種は、土の好みがそれぞれ異なります。
樹種にマッチした用土を準備してください。
サクラ=黒土3;赤玉土4:桐生砂3
フジ=黒土3:腐葉土3:鹿沼土2:赤玉土2

実物類

実をつける様を楽しむ樹種もまた、土の好みが違います。
最近はミニ盆栽でも実のなる樹種が人気ですので、植え替え時期には土の準備が必要かもしれません。
ヒメリンゴ=黒土3:赤玉土4:腐葉土2:桐生砂1
ナンテン=赤玉土6:黒土2:腐葉土1

このように、樹種によって用土の配分が違う事がおわかり頂けると思います。

 

必ず篩(フルイ)にかけて微塵(ミジン)を取り除く

このように、盆栽用土と一口に言っても『これが正解』という物は存在せず、盆栽棚のある環境と育てる植物によって異なるということが言えるでしょう。
ですが、共通して注意する事もあり、それは『ミジンを取り除く』という事です。
盆栽は一度植え付けると1~2年にわたり土の手入れが出来ません。もしミジンが鉢中に堆積すると目詰まりを起こし、根腐れの原因になってしまいます。
それを防ぐ為に、毎回使用前に土をフルイにかけましょう。
メッシュは1~2mm目ほどの物で充分です。

用土作りは皆さまの盆栽を育てる上でとても重要です。
繰り返しになりますが、どの樹種にも同じ土で良いわけではありません。
特に植え替えなど、盆栽にとって、とても大事な環境を大きく変えてしまう場面において、様々な疑問も抱かれる事でしょう。
決して安易な趣味では無い盆栽ですが、ぜひ楽しみながら育ててくださいませ。

盆栽なび編集部

プレスリリースなどのニュース記事をピックアップしてお伝え致します。

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