国内の盆栽人口と将来の展望

現在、盆栽は若い世代や女性の間でも注目を集め、少しずつではありますが愛好者を増やしている状況です。
つまり言い換えますと、現在の日本における盆栽の世界は、それを供給する側にも、受け入れ愛好する側にも、新しく若い活力を切実に求めているのでしょう。
国内での盆栽人口とその未来がどう変化してゆくのか盆栽を愛する皆さんも気になるところではないでしょうか。

盆栽

 

国内での盆栽需要

高齢者の趣味と言われ、昭和時代には数万人を超えた盆栽人口も、今は7千人を割り込むほどまで減少したと言われています。
商業的な未来が危ぶまれているだけではなく、その文化の継承も将来が見えにくくなっているそうです。
前述しましたように、新世代の愛好者の増加にようやく結びつつあるのが現況、と言ったところでしょうか。

 

海外での盆栽需要

一方で、海外における盆栽愛好者の増加には目を見張るものがあります。
2017年に埼玉県で開かれた『世界盆栽大会』には、40ヶ国から4万人を超える愛好家が参加、国宝級といわれる国内盆栽から気鋭の海外作品まで、300点を超える展示に多くの注目が集まりました。
海外では『BONSAI』の名で知られ、高度な園芸の一つとして、また、『侘び寂び』にも通ずる芸術品として愛好する人が増加し、それのみならず盆栽作家や職人も次々と育っています。
この流れは、それにまつわる業界・経済も増大してゆくということですね。
世界盆栽大会もアメリカ、ドイツ、韓国、そして盆栽の下地となった『盆景』の国、中国でも開催され、盆栽のユネスコの無形文化遺産申請も文化庁によって検討中だそうです。
いよいよ『盆栽』 はワールドワイドな展開で世界に定着しつつあるのです。

 

日本の盆栽の未来について

これだけ揃っていれば、日本にとっても喜ばしいことなのですが残念なことに発祥の地であるはずの日本そのものの盆栽人口が危機的な状態である現状にあり、これが問題です。
冒頭では、愛好者は増えていると申し上げましたが、それでも盆栽の人口の大半がまだまだ年配の方々です。
残念ですが、人間は年齢が上の人ほど先にお亡くなりになります。
10年後、盆栽人口の3~5割減ったと想定した、あくまで仮の未来の話をしましょう。

 

盆栽園がなくなる

年々減り続ける盆栽園はさらに減ることになるでしょう。
更に継ぎ手不足が加速します。
盆栽離れもそうですが、需要の減り続ける分野に飛び込もうという若手は中々いません。

 

組合がなくなる

今でも盆栽組合は年々人が減っている様子です。
それに加え、入会金数万円、年会費数万円の組織が、家で映画やアニメを視聴できるサブスクリプションがある時代に生き残れない、というのは悲観主義が過ぎますでしょうか?

 

日本の盆栽が生き残るには

そんな未来の中でも生き残る盆栽園は多数あります。
それは販売以外で売上を作っている盆栽園です。
つまり施設への貸し出しや教室などで販売に負けない利益を作っている盆栽園。
特に盆栽教室は、授業料をもらい更に顧客の獲得にも繋げられる利益率の高いシステムと言えるでしょう。
ただ、それでも上記に当てはまる園も利益は下がっていく可能性が高いです。
そもそもの母数が減っていく中、需要が減っていくことは止められませんので、縮小は避けられません。
多くの盆栽業者は大ダメージを受けるでしょう。

 

日本の盆栽に楽観視は出来ない

年々人口は減っておりますし、盆栽業者も減っています。
何か特別なことでも起きない限り確実にこれからもっと減っていきます。
割合的には今までと比べ加速していきます。
しかし、江戸時代から続く日本の誇るべき伝統が、我々の時代に衰退していくのは悲しいことです。
盆栽は実際、本格的にやろうとすると、その奥深さ故に非常に手間と時間、そして想像力を必要とする趣味でもあります。
それだけに比較的、時間に余裕のある年配者の興ずることとなってしまうのも無理からぬところと言えます。

少々物悲しいまとめになってしまいましたが、盆栽とは性別や年齢や国籍をも超えた『文化』です。
『お年寄りの趣味』などと言う先入観を一度忘れてみれば、必ず今まで知らなかった新しい世界が待っているはずです。
苦心と想像力を重ねて育てる、鑑賞して愛でる、そこで思いを馳せる等々。
それが『盆栽』の醍醐味ですからね。
盆栽の未来が明るいことを切に願っております。

盆栽なび編集部

プレスリリースなどのニュース記事をピックアップしてお伝え致します。

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