水石とは?水石の歴史と魅力について

水石(すいせき)というのは、盆栽のように石を鑑賞して芸術を感じるものです。
石は、自然の影響を大きく受け、形を変えて色を変えていきます。
そんな自然が浸食した石を芸術品として鑑賞することを水石と呼び、国内外から高い評価を得ている芸術鑑賞の方法です。
ここでは、水石の歴史や魅力についてご紹介します。

水石

水石の基準

どんな石でも水石と呼び、観賞用として見ているのかといえば、そういうわけではありません。
非常にライン引きが難しい部分ではありますが、水石五大要素というものが存在します。

  • 肌合い
  • 時代

と分かれていて、水石の大きな判断基準としては「形が何かしらに見えるもの」です。
山や島などの自然を連想させるものや家や人、花や蝶など自然界全ての幅広い形に見えるものが水石と定められています。
質や色、肌合いに関しては簡単に欠けることなく、柔らかで自然な色であることが望まれているのです。
古さや壮大さを感じるものが水石にふさわしく、美しさと味わいを兼ね備えているものが水石なのだと思ってもらえればよいでしょう。
また、水石はそのまま飾っておくのではなくて、きちんと浅い水盤などを使って飾ることが基本です。

水石の歴史

水石の歴史は、盆栽と同様に中国から渡ってきた文化で、南北朝時代くらいから始まったのでは?と考えられています。
そして、水石も盆栽と同じように日本に渡ってきてからは、日本独自の芸術性を進めていき、現在では立派な日本文化です。
なぜ、日本独自に進められるのかというと中国からやってきた盆栽や水石について、日本が独特の感性で芸術的解釈を行うことにより、中国とはまた違う認識、美しさを見出すことに成功したといえます。
水石が渡ってきた同時期に、日本では茶事が流行っていたため、お茶を嗜む場所に水石を置き、芸術鑑賞も合わせて行っていたと考えられているのです。

現在では、中国と日本では水石として選別する石の基準もまるで違い、別の芸術品だと理解してください。
中国の場合は、非常に大きく派手な色合いの石が水石として評価が高く、複数の石を組み合わせて作っている場合もあります。
一方で日本の水石は、黒に近い色を水石としている場合が多く、真っ黒に近づくにつれてより「美しい」という評価を得ているのです。
1つの大きな水石を置くことが芸術性のある水石だと考えていて、静かな美しさを考慮していることが特徴かもしれません。
こうした2つの認識は、どちらが良くてどちらが悪いということはなくて、お互いが別の文化として認識しており、認め合っている芸術品となります。
中国は色彩を非常に大切にしているため、水石も色合いを重要視していますが、日本は「静」が美徳と思っているため、水石も静かで穏やかな印象がある肌合いや質などを重要視しているのです。
日本の水石は美的感覚をくすぐり、世界でも非常に評価が高くなっています。

水石の概念は自由

水石は、ある程度の基準は設けられていますが「絶対にこうじゃないとダメ」という概念はありません。
美しく、自然の壮大さを感じられるような石であれば、水石として選別されることも多いです。
全く水石に触れ合ったことがない人にとって、どんなところが魅力なの?と疑問に感じるでしょうが、見ているとわかります。
自然の中に佇んでいると、それだけで心が浄化されるような気持ちになりますし、安らぎを与えてくれるものです。
意識して「これは芸術…」と思ってもなかなかわからないので、盆栽と共にすることでお互いの魅力を引き立たせ、美しさが増しています。
水石だけでは魅力が分からない人は盆栽とセットにしてみると良いかもしれません。
また、水石の大きな魅力としてはその存在感と自然の壮大さを感じることができる部分です。
盆栽にも通じるものがありますが、どちらも小さな自然を感じられて、心が穏やかになれることが魅力だといえます。

水石は歴史ある美しき芸術品

単なる石と思う人もいるでしょうが、水石はそれぞれに色も形もツヤも全然違うものです。
丁寧に選別された美しい石が水石と呼ばれ鑑賞されているということは、まさしくそれは芸術ということ。
日本庭園も石や木などを利用し、美しい四季を表現しているように、盆栽や水石もミニチュア版の庭園と考えている人は多くいます。
水石を芸術品として扱い自分なりの美しさを追求することは大変魅力的と言えるのではないでしょうか。

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