盆栽はとても古風な趣味とされますが、やはりその通り、深い歴史があります。
樹木は人よりも長生きし、樹齢の長いものでは数百年から千年以上生きるものもありますね。
そんな樹木を育てて楽しむ、盆栽の歴史についてまとめました。
「平安時代」盆栽は中国から伝わった「盆景」から成ったもの
日本にある文化の多くは、古来に中国から伝わったものが多いですね。
盆栽も実は中国から伝わり、日本の伝統文化となっています。
中国から文化が広まり始めたのは奈良時代ですが、盆栽はそのやや後の平安時代に伝わったとされます。
日本は平安時代(794~1185年)、中国は唐の時代(618~907年)のことです。
元々は「盆景(ぼんけい)」といわれ、盆の上に砂や土を敷き、草木を配置して小さな自然風景の模型のようなものを作っていました。
盆景がやがて、樹木や草木を育てることに重きをおくようになり、盆栽に変わったといわれます。
一方で、盆景から箱庭に派生し、規模が大きくなったりもしています。
盆栽は宗教的な飾りや贈り物だった
現代でも、お墓やお寺、神社などに植物を飾る風習は色濃く残されています。
盆栽も元々はそれらと同じ、宗教的な意味合いを持つ飾りや贈り物でした。
盆栽が中国より伝わった平安時代以降、一般の庶民まで盆景や盆栽が伝わることはなく、あくまでも貴族や偉い方の趣味として成り立ちました。
特にこの時代から神仏習合といい、日本の神道(神社信仰)と中国伝来の仏教とが混ざり合い、一つの文化として成っていたのです。
その方々や文化の中で、盆栽は一種の高尚な趣味や贈り物として用いられました。
「平安時代以降」やがて年配者向けの趣味へと変わる盆栽
平安時代は貴族の用いる文化として。
次の鎌倉時代でも主に貴族や武家の間でだけ楽しまれました。
盆栽が一般の庶民に伝わり、いわゆる「趣味」となったのは江戸時代からです。
庶民が楽しむ大衆演劇の演目や書物などにも盆栽についてよく書かれ、江戸時代の庶民も鉢植えを所有し、小さな苗木を植え、育てて楽しむようになります。
盆栽の一種ともいえますが、今ほど大きな分け隔てはなく、それらは観葉植物やガーデニングとそれほど変わりませんね。
この頃からすでに、盆栽はお年寄りの趣味とされていたそうです。
若い人は仕事や用事など忙しく、のんびりと鉢植えの苗木を育てる暇などありません。
昔から続く貴族や武家の偉い様や、隠居した老人などが盆栽を変わらず楽しんだとのことです。
今回のまとめ
日本における盆栽の歴史を紹介しています。
盆栽は平安時代、中国から「盆景」として伝わります。
鎌倉時代までは貴族や武家の趣味、宗教的な飾り物として用いられます。
江戸時代から庶民の趣味へとなるが、当時から盆栽を嗜むのはお年寄りや偉い方など余暇のある人ばかりでした。
以後、どのように盆栽は大衆へ伝わり、今はどうなっているのでしょうか。