私は昭和元禄落語心中というアニメにハマッて以来、落語を少々聞きます。
盆栽にまつわる落語ってあるのかなあとググッてみると
『おもと違い』
という噺(はなし)を発見しました。
万年青(おもと)の盆栽が噺のテーマなんです。
最近演る人は珍しいような演目だそうです。
私は古今亭志ん生師匠の「おもと違い」を聞いてみました。
おもと違い あらすじ
※その当時「物を質屋に入れること」を「ぶち殺す」と言った。
博打で負けた辰五郎が、兄貴分から預かっていた大切な「おもと」の盆栽を質屋に入れ、借金の穴埋めをした。
↓
そのことを人に話していると、「おもとをぶち殺して穴に埋めた」という部分だけを奉公者の権助が聞いてしまう。
↓
権助は「旦那の娘のおもとさんを殺して洞穴に埋めただって?」と勘違い。
↓
権助が兄貴分にチクると、兄貴分が辰五郎を呼び出し、殺人を自首するよう促す。
と、勘違いのままお話が進んでいきます。
兄貴分
てめえ自首しろ
辰五郎
へい?
兄貴分
警察に自首しろお
辰五郎
(笑)自首しろなんてこったあないね
という兄貴分と辰五郎の、言い合いに思わず笑ってしまいました。
おもと違い オチ
※通常、質屋に入れた質物は8ヶ月でよそに流れてしまうが、その前に利息を払うと質流れを防ぐことができる。
ラストシーンでも権助の勘違いは続きます。
権助
おもとを川上に放り込んだってな?
辰五郎
川上(という名前の質屋)に放り込んだよ、しんぺえすることはねえ。
権助
なに言ってんだ、川上なんかに放り込んだらすーーっと
流れちゃうぞ?
辰五郎
流れるこたねえや。
権助
どうして流れねえ。
辰五郎
しんぺえするな、利息がいれてある。
志ん生師匠のスピード感が最高で、オチが分かっていても、笑っちゃいました。
志ん生師匠「おもと違い」で私が気に入った江戸弁台詞
辰五郎の台詞
それでまあそのおもとをね、ぶち殺しちゃってね。
で、まあほれはまあ埋めたとこういうような。
だからそのおもと持ってかなくちゃ兄貴んとこ行かれねんだよ。
おっちょこちょいな権助の人物説明
そのまた田舎の山奥の権助ってやつが奉公にきてる。
これなんにもわからねんだよね。
ただこうあっと台所で用をしていて聞いたのは。
おもとを殺して洞穴に埋めたっていうことだけ聞いた。
質屋の説明
その代わりによつきならよつき経って出しに行かないってえと、今度はこいつをどっかに流しちゃう。
やしちさんとこ行ってくるよ、なんてーとね、どっか知ってる友達のとこに行ってくるみてえで。
ぜひ聞いてみてください。