盆栽は私たちが日常目にする木と同じように大きくはなりません。
現実的に、自然に生えている木は大きいものなので、盆栽も同じなのでは?と思うでしょうが、盆栽になるとなぜか大きくならないのです。
どうして大きくならないのか、大きくする方法はあるのか?についてご紹介していきます。
盆栽が大きくならない理由
なぜ、盆栽は大きくならないのか?というと答えは単純明快。
盆栽鉢の大きさに合わせて成長するからです。
通常、使用している盆栽鉢が小さかったとしても、植物は勝手に育っていくイメージがありますが実は違います。
木は植えられている鉢以上には大きくならず、それなりの大きさにしかなりません。
理由は、根が成長しないからです。
小さな鉢で育てている盆栽は、根の成長が限られます。
そのため、根の成長に合わせて木が大きくなるので盆栽鉢が小さければ小さい盆栽しか育ちませんし、逆に盆栽を地面に植えたら一気に根が成長して大きな木になるのです。
盆栽を大きくする方法
盆栽が大きくならない理由が「盆栽鉢の大きさに合わせている」のであれば、単純に使う盆栽鉢を大きくすればいいのでは?と思うかもしれません。
確かに、大きな盆栽鉢を使用することで、盆栽は大きくなります。
ただ、盆栽は基本的に芸術作品として鑑賞するものなため、ただ大きけば良いというものでもないでしょう。
木の幹の太さを調整する方法がありますが、その中でも今回は盆栽の種類によって異なる大きくさせる方法をご紹介するので盆栽作りの参考にしてみてください。
もみじ
美しくも儚さが表現できるので人気があるもみじは、最初から大きな鉢に植えて幹や枝を成長させておくと良いです。
途中から成長させることも可能ですが、バランスを見極めるのが非常に難しいので、まずは十分に成長させた後に植え替えの時に根や枝をカットしながら調整しましょう。
もみじの場合は、毎年植え替えをすると育てやすいです。
黒松
盆栽と言えば!という印象のある黒松ですが、肥料にとても強いのでしっかりと成長させることができます。
大きくしたい時は肥料を与えて成長させながら、枝もそのまま伸ばしていってください。
枝を伸ばしているとどうしても不恰好な印象になるので、整えた方がいいのでは?と悩みますが、枝を伸ばすことで幹が太くなるため、最初のうちは幹を育てることに集中しましょう。
大体1年か2年程度経ったら、枝の剪定を行います。
南天
盆栽の中でも、雄大さだけではなくて可愛らしさも表現できる南天は、そもそも細い木なので他の盆栽に比べ大きさを期待できませんが、ある程度のサイズには育てることができます。
方法は、枝の剪定をすること。
実の成った枝を剪定してゆくのはちょっと心苦しいですが大きくなるまでは我慢しましょう。
切った枝は一輪挿しにするとすごくキレイです。
盆栽は繊細
本来、木というのは自然に放つとあれよあれよと成長していきます。
ですが、きちんと盆栽として育てようと思えばしっかりと手入れをしてあげなくては思うような育ち方をしません。
盆栽鉢に入れて育てている以上、成長にも限りがありますし、枝などの剪定もきちんとしなければ美しい状態は保てないのです。
盆栽は非常に繊細なものなので、大きく成長させるのも現状を維持するのも所有している人が丁寧な管理を行わなければ実現できないと言えます。
最初から「大きな盆栽にしよう!」と思うのであれば、使用する盆栽鉢は大きめのものを選んでください。
後から大きめの方がいいな、と思ったら植え替えのタイミングで大きな盆栽鉢に変更してみましょう。
ある程度、成長させた後の枝の剪定は、切りすぎないように全体的なバランスを見ながら行ってください。
自分なりの「こういう盆栽にしたいな」というイメージがとても大事になるので、具体的なプランを自分の中で持っておくと良いです。
盆栽が大きくならない理由は単純!
盆栽は、鉢の大きさによって成長が決められます。
自然とは不思議なもので、置かれている環境によって成長の範囲も広くなったり、狭くなったりするのです。
この点もある意味、自分で作りあげる楽しさがあると捉えられるので盆栽を育てていく上で知っておきたい知識だと言えます。
美しさは千差万別なので、自分が良いと思える盆栽を作っていきましょう。