遺品整理の際、家電や家具などの物品だけではなく、観葉植物や盆栽といった植物が残されてしまうケースも多いでしょう。
植物の処遇を考えたとき、家電や家具と異なるのは植物が生き物であることです。
生き物であるわけですから当然手入れをしなければ枯れてしまいます。
そのため、むやみにゴミとして捨てるようなことは避けたいとお考えのかたも多いのではないでしょうか。
そこで今回は遺品整理の盆栽のお片付け方法を紹介します。
引き取って育てる
植物が嫌いでない人は、自分で育てるという選択肢があります。
難しい技術がわからなくても、水やりや肥料くらいならできるはずです。
基本的なポイントとしましては
・土が乾いてから水をあげる(指先を土に入れて水気を感じるならあげなくても良い)
・直射日光をレースカーテンなどで避け、できるだけ明るい場所に置く
・病気の原因になることがあるため、風通しの良いところに置く
・冷暖房の風に直接当たらないところへ置く
新しい趣味として盆栽を学ぶのも良いですし、それが出来なければ、庭に地植えして庭木としての新しい道を歩ませるのも1つの考えです。
盆栽時代より環境は悪くなるかもしれませんが、品種によっては良く根付いてあっという間に大きくなります。
故人がせっかく作っていた盆栽なので、もったいなさもありますけれど、時々眺めて故人を想う良い機会にもなるのではないでしょうか。
他の人にゆずる
自宅に持ち帰ることができない時や、数が多すぎて持ち帰ることができないケースもあるかもしれません。
世話ができなくなってしまった場合には、他の人にゆずる、あるいは売る、という選択肢があります。
ネットオークションやフリマアプリでは盆栽のニーズも多く、初心者から経験者も利用しています。
予想以上の値段で売れる可能性もあります。
なお、売買ではなく譲渡する場合には利益を上乗せせず、梱包料と送料の負担を行うのがトラブルを避けるためのマナーと言えるでしょう。
次世代につなげる意味でも、積極的にこうしたサービスを利用することも良いかもしれません。
故人の通っていた盆栽園や盆栽業者があれば買い取りの相談をする方法もあります。
買い取りを積極的に行っている盆栽園もあるので、探して問い合わせてみてもいいでしょう。
ひょっとしたら驚くほどの値がつく樹や鉢、道具があるかもしれません。
ただ、それはあくまでレアなケースとして、「無料引き取りなら良いほう」と考えて託すのも1つの解決への道です。
また、いわゆる便利屋さんに買い取りを依頼するのはオススメできません。
盆栽に関する知識のない業者にとって、盆栽は「処分の対象」に過ぎず、買い取りどころか処分料を求められることもあります。
処分せざるを得ない時の方法
植物を処分する場合には、植物と土、鉢などに分けて自治体が決めた方法で処分を行います。
多くの自治体がゴミ袋に入れて一般家庭ゴミとして処分を受け付けているようです。
注意すべきは分別方法を間違えないこと、数十センチ程度以上になる場合は粗大ゴミとして扱う自治体が多いため、伐採などして小さくする必要があります。
なお、土は一般ゴミで処分できる自治体がある一方で、土の回収を行なっていない場合もありますので、お住まいの自治体に問い合わせを行なってみましょう。
ホームセンターによっては不要となった土をリサイクルしてもらえる店舗もあるようですので、近隣の店舗が該当していないかどうか調べてみるのも選択肢の1つですね。
遺品整理は大変な作業ですし、故人が大切にしていた盆栽を、時には処分しなければいけないことは心苦しいことと思います。
命あるものとして、きちんとした片付けを心がけたいものですね。