盆栽の害虫対策

盆栽を育てていると、切っても切れない問題は「害虫」です。
外に置いているため、害虫の成長期には盆栽が食害に遭うことはよくあります。
そうならないためにも、害虫の特徴や対策を理解しておきましょう。

 

盆栽に発生する害虫

害虫、と聞くと被害は全て同じとイメージするかもしれません。
しかし、葉や枝を食べる「食害性」と樹液を吸う「吸汁性」の2種類タイプの違う害虫がいます。
それぞれ、対処法が違うのでまずは「食害性」「吸汁性」の害虫はどんな種類がいるのかお伝えするので、参考にしてみてください。

食害性の害虫

少しジメジメした時期に現れるのが、食害性害虫の特徴です。
代表的な害虫は、以下の2種類となります。

  • イモムシ、ケムシ
  • コガネムシ

盆栽以外にも自然が豊かな場所に多くいる虫ですが、どちらも食欲が旺盛なので、盆栽の葉や芽を食べつくす勢いの害虫なので、注意が必要です。

イモムシやケムシの場合は、とにかく多くどこにでもいるため、しっかりと対策をとらなくてはあっという間に盆栽が食べられてしまいます。
特に桜や梅を使用した盆栽の場合は、大量発生しやすいので注意が必要です。
越冬するために盆栽に寄生するタイプのイモムシやケムシもいるので、見つけ次第即刻駆除が必要といえるでしょう。

コガネムシの場合は、昆虫なので非常に見つけやすいですが、例年大量発生することが多く、幼虫は土の中で根を食べて成長し、成虫は葉をたくさん食べるという非常に扱いにくい害虫です。

吸汁性の害虫

比較的どの時期にも現れるのが、吸汁性害虫の特徴です。
代表的な害虫は、以下の2種類になります。

  • アブラムシ
  • カイガラムシ

どちらも、アブラムシ上科、カイガラムシ上科となっているので、1種類だけではありません。

アブラムシの場合は、他にワタムシという仲間がいて、同じように盆栽の茎から支管液を吸います。
発生する原因は、盆栽を置いている場所の風通しが悪いことや樹勢がすでに弱っているものに寄り付く可能性が高いです。
そのため、日々の管理をすると共に、アブラムシの場合は1匹見つけたら、2匹3匹と仲間がいることが多いので、早急な対応が必要になります。

カイガラムシの場合は、世界で実に7,000種類以上いると考えられている非常に種類の多い害虫です。
見た目も多様で、硬い殻を持つもの・毛が生えているものなどさまざまいるので全てを覚えるのはなかなか難しいかもしれません。
一般的に盆栽にいるのは、ツノロウムシと呼ばれる白い蝋のようなカタチをしたカイガラムシとなります。
カイガラムシの排泄物は非常に甘く、アリが寄ってくるので盆栽にアリがいたら、カイガラムシがいるのでは?と疑いましょう。

 

害虫対策は薬剤が基本

盆栽に害虫がついてしまうと、食べられたり木を弱くするだけではなく、卵を産みつけられて、孵化した害虫がまた盆栽を悪くさせていくので、必ず駆除が必要です。
ただ払ったりするだけでは意味がなく、しっかりと薬剤をかけることが重要になります。
殺虫剤や殺菌剤といった薬剤は、害虫に多大なる効果を与えますが、取扱には十分注意しないと、人体への悪影響が懸念されるので取扱方法は知っておいてください。

通常、薬剤は霧吹きなどを使って吹き付けていきますが、風の強い日にすると自分の方向に薬剤がかかってしまって、体調が悪くなることもあります。
また、急いで駆除しようとして素手で薬剤を使う人もいますが、かぶれたりただれたりする可能性もあるので、必ず手袋をしましょう。
そして、もっとも大事なことは薬剤の希釈倍数を守ることです。
強い方が害虫に効果がありそう、と思うでしょうが、希釈倍数を守らないと逆に盆栽がダメになることもあるので、必ず守ってください。
注意点を守っておけば、安全に害虫を駆除できます。
ポイントは、使用する薬剤を毎回同じものにしないことです。
なぜなら免疫がついてしまう可能性があるので、都度変化を与える方がより害虫を遠ざけることができます。

 

害虫が発生しやすい時の対策

害虫がもっとも発生する時期は、春先や梅雨時期です。
葉や芽が柔らかい時期、梅雨の湿気で弱りかけている盆栽を狙って害虫がやってきます。
そのため、害虫が発生しやすい時期は、事前の対策をしましょう。
殺虫剤と殺菌剤を混ぜ合わせたものを吹きかけておき、害虫を見つけた場合はすぐに除去してください。
食害性害虫がいると、葉は一気に食いつくされる可能性もあるので、早期の対応が重要になります。

 

盆栽の害虫対策は日頃の手入れと同様に必要

害虫にとって、盆栽は絶好の食事です。
特に成長する時期の盆栽は、害虫に狙われやすいので事前の対策は必ず行ってください。
それでも害虫が寄ってくることはあるので、すぐに駆除できるように薬剤は用意しておくのは必須です。

関連記事

  1. READ MORE

    大品盆栽、中品盆栽、小品盆栽、それぞれの違いについて

  2. READ MORE

    草もの盆栽とは

  3. READ MORE

    夏場の盆栽のお手入れで気を付けたいこと

  4. READ MORE

    盆栽鉢 京焼・清水焼の窯元 陶葊について

ページ上部へ戻る
error: Content is protected !!