気温や水やりの管理など、何かと気を使わなくてはならないのが盆栽です。
特に屋外盆栽をする場合では、害虫に関しても注意を払わなくてはなりません。
こちらの記事では、屋外盆栽に用いられることが多い石灰硫黄合剤とは何か、また使用の際の注意点についてご紹介しています。
石灰硫黄合剤とは?どんなときに使う?
石灰硫黄合剤は農薬に分類される化学合成物質で、殺菌や殺虫作用を持っています。
栽培する植物にもよりますが、屋外盆栽の場合では、カイガラムシやハダニ、アゲハチョウの幼虫などの害虫被害にさらされることがあります。
そして、そのような害虫から植物を保護する目的で使われるのが、石灰硫黄合剤だということです。
石灰硫黄合剤を使うタイミングはいつ?
一部の植物を除き、ほとんどの植物は1~2月に休眠期を迎えます。
休眠期というのは、根や葉が成長する前の段階を意味していますが、このタイミングを見計らって石灰硫黄合剤を噴霧することで、3月以降の成長期に起こりやすい害虫被害を最小限に留めることができるのです。
なお、植物によっては高温・多湿になる下記に噴霧できる種類もありますので、これについてはインターネットや書籍などで確認しておくことをおすすめします。
石灰硫黄合剤を使用する際の注意点は?
石灰硫黄合剤を使用する際には、以下の点に注意してください。
完全防備で噴霧しよう
石灰硫黄合剤は皮膚に付着すると「科学熱傷」というやけどを負うことがありますので、噴霧の際には皮膚が隠れる服装に着替えておきましょう。
衣類に付着すると白く変色しますので、できれば雨合羽などの着用が望ましいでしょう。
万が一皮膚に付着した場合には、直ちに流水で洗い流し、皮膚の薬剤をしっかりと落としてくださいね。
また、目に入ると、痛いだけでなく目の不調の原因になりますので、まずは流水でしっかりと洗い、それでもおかしいと感じた場合には、眼科を受診しましょう。
錆に注意しよう
石灰硫黄合剤は、金属に付着すると錆が出る原因になります。
盆栽の近くにフェンスや車、自転車などがある場合には、それらに噴霧してしまわないよう、十分に注意してください。
特に車などは高価なため、錆を直すだけでも高額な費用が必要になりますので、そうならないたためには、周囲に注意を払った上で噴霧することが大切です。
臭いに注意しよう
石灰硫黄合剤には、硫黄独特の不快な臭いがありますので、近隣への配慮を忘れないようにしてください。
いくつもの盆栽に噴霧する場合では、あらかじめ近隣にその旨を伝えておきましょう。
そうすることで、近隣トラブルを回避できるはずです。
また、風邪が強い日に噴霧してしまうと、近隣に薬液が飛んでトラブルの原因になりますので、風がなく穏やかな日を選んで噴霧するように注意してくださいね。