盆栽にハマっていくと、1つの盆栽だけではなくていろんな盆栽を育てたくなるものです。
手っ取り早く盆栽を増やすには、販売店で盆栽を購入するのが1番だといえます。
ですが、本当の意味で盆栽を楽しむためには自分で採取するところから始めるのも1つの方法です。
今回は、盆栽を増やす方法についてお伝えします。
盆栽の増やし方は4通り
盆栽を自分で育てて増やす方法は、4通り存在していますが、それぞれ手間が違ってくるものです。
そのため、まずは方法を理解して自分の理想とする方法を見つけてください。
山取り
山取りは、松柏類や雑木類などを盆栽にしたいという人におすすめの方法です。
山間部で自生している原木や古木を使うために、根株ごと採取して盆栽を作ります。
自然に自生しているものなので、一から作るよりも盆栽らしい形がすでに作られていることがメリットです。
良い種木に出会えた場合は、早くから1つの盆栽として鑑賞することができるので、作りやすいです。
しかし、自然保護の観点から根株をとることが禁止されている場所も多いので、しっかりとルールは守りましょう。
また、害虫なども自然だからこそ多いので一緒に持ち帰らないように注意が必要になります。
実生
名前からイメージできるかもしれませんが、種から盆栽を作っていく方法です。
手間や大変さ、難しさを感じる方法ですが、実生が最も自分の考え通りに盆栽を作っていくことができます。
種を植えるところからなので、盆栽が育っていけばいくほど、愛着も湧いてきますし大事にしようという気持ちが強くなるものです。
盆栽の実生に使用する種は、一般的な園芸店で入手できます。
小袋に入ってたくさんの種が販売されているので、慣れてきたら複数の盆栽を一気に作ることも可能です。
もしくは、もともと庭に木を植えている人であれば、モミジやカエデから採取することもできますし、野山の樹木から採取することもできます。
ただ、自分で種を採取する場合は実が色づいていないことを確認してから採取してください。
実の中には発芽を阻害してしまう成分が含まれているので、せっかく採取しても盆栽がキレイに作れないこともあるからです。
種は、蒔く前日に水に浸してから植えましょう。
なぜなら、水に浸しておくと発芽しない種は浮いてくるので余分な種を取り除くことができるからです。
そして、種を蒔いてからは自分の理想とする盆栽を作り上げていってください。
挿し木
木の枝や根の一部を土に挿して、盆栽を作る方法になります。
例えば、自分なりに気に入っている親木があるのなら、似たような盆栽を新しく作ることが可能です。
挿し木用の枝は、親木を剪定した時に切り落とした枝を使いましょう。
キレイな枝を利用しなくてはいけない、と思うかもしれませんが、必ずしもそうというわけではありません。
曲がっていても、カーブしていてもそれは個性として盆栽を美しく見せてくれます。
挿し木は極力、葉などは取り除いてください。
葉があるとどうしても水分が失われてしまうので、盆栽作りに失敗してしまう可能性が高くなります。
挿し木は単純に土に挿せばいいわけではなく、挿し床が必要ですが、仕立て用の鉢の底に大粒のゴロゴロ下石を敷いて用土を入れて、斜めにしながら挿し木を植えてください。
複数植える時は、それぞれに多少間隔をあけましょう。
取り木
自分で盆栽を作り上げたいけど、そこまで時間が取れない!という人におすすめの方法です。
枝や幹に傷をつけて、養分を堰き止め、親木から切り離して盆栽を作ります。
方法は、環状剥皮法と呼ばれる樹皮を剥がして、水苔を巻いてビニールでカバーした後、ひもで固定するだけです。
簡単にできてキレイな盆栽ができるので、おすすめですが親木から切り離す時は、水苔から根が10本以上出てきた時にしましょう。
切り離したら、根が痛まないように、丁寧に水苔を取り除いて鉢に植えます。
植えた時は非常に不安定なので、ひもで固定することを忘れずに。
苗木を購入する時のポイント
いろんな方法はありますが、まだまだ不慣れだからまずは園芸店、盆栽園で苗木を買って、盆栽を増やそうと思う人もたくさんいます。
その場合は、まず時期に注意してください。
例えば、松柏類が欲しいと思った場合は9月末頃だと葉がしっかりと固まっているのでおすすめです。
そのほかのモミジなどの雑木類は、初夏がベストなので、自分が植えたい種類によって購入時期がズレることは意識しておきましょう。
もしも悩んだ場合は、販売店に相談してみると的確なアドバイスをしてもらえます。
盆栽を増やすには少しずつ丁寧が重要
盆栽を楽しみたい!と思った時、しっかりと自分で育てて盆栽を増やそうと思う人は多いです。
盆栽の醍醐味とも言えるべき部分なので、盆栽の手入れなどに慣れてきたら自分で種から植えたり、挿し木をするなどして増やすのはきっと楽しいことでしょう。
ただ、方法によって難易度の違いがあるので、どんな方法が自分に1番向いているのか検討しながら盆栽を増やしていってください。
もしも、まだ不安という場合は販売店で苗木を買って増やす練習をするのも良いかもしれません。