盆栽の害虫対策 カイガラムシの生態を知ろう

盆栽を見ているとき、何か枝についてる!?と驚いた経験はありませんか?
枝にボコボコした柔らかい物がついていたら実はそれは”カイガラムシ”という虫かもしれません。

カイガラムシ

じっと動かずに枝についており、昆虫とは思えない見た目をしていますが、カイガラムシは「カメムシ目ヨコバイ亜目カイガラムシ上科」に分類される昆虫です。
外観を損ねるだけでなく、すす病の発生を誘発したり、大量に寄生すると盆栽を弱らせてしまいます。

今回はそんなカイガラムシの生態についてご紹介します。

 

カイガラムシの食性と体のつくり

孵化直後のカイガラムシは0.1mm前後で非常に小さく、成長すると体長2〜10mmまで成長します。
小さい時に発見するためには、ルーペや虫眼鏡が必要です。

カイガラムシは植物の枝に寄生して篩管液を吸います。
篩管液には光合成によって合成された糖分(グルコース)が多く含まれており、カイガラムシは余剰の糖分を体の外に排出して体の表面にロウ状や粉状の体被覆物質を作ります。
そのため、駆除剤が効きにくいという特徴があるのです。


また、孵化直後のカイガラムシの幼虫は脚があり、動き回りますが、成長に伴い脚が退化し幹に固着する種類もいます。

 

カイガラムシの繁殖方法

成虫はオスとメスで見た目が異なり、オスは成虫になると羽を持ち移動する種類もいます。
また、オスが発見されていない種類は、メスのみ単為生殖で増殖すると考えられているのです。
つまり、孵化直後の幼虫が風で運ばれて枝に寄生するとそこから大量発生することがあります。
特に気温が高くなる5月から7月にかけて非常によく増殖するため注意が必要です。

 

カイガラムシの防除方法

カイガラムシは風通しが悪いと多発することがあるので、風通しが良い場所で盆栽を管理しましょう。
もし盆栽にカイガラムシが付いていた場合には、ブラシや割り箸などで擦り落とすと良いです。
薬剤は孵化直後のカイガラムには良く効きますが、体被覆物質で覆われたカイガラムシには効き目が弱くなることや用法を誤ると薬害が発生して盆栽に悪影響が出る場合もあり、あまりおすすめはできません。
こまめな観察により早く発見して駆除することが肝心と言えるでしょう。


いかがでしたか?
盆栽に見慣れないものがついていた場合には、カイガラムシの可能性がありますので、除去できるか試してみてください。
また、これを機にカイガラムシの姿を調べておくと早期の発見・対策ができるでしょう。

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